特集 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)のすべて
高齢者保健福祉推進十か年戦略とそこでの保健婦の役割を考える
横田 紀美子
1
1茨城県協和町役場
pp.953-956
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900356
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はじめに
今日の日本は,急速な高齢化がすすみ,21世紀には,わが国の人口の約4人に1人が65歳以上の高齢者で占められると予測されている1)。この急激な高齢化社会への対応として,国は1982年に健やかな老後をめざして,成人期からの健康づくりを目的に「老人保健法」を制定し,また1990年には高齢者に対する保健福祉における公共サービスの基盤整備をすすめるために「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の推進を打ち出してきている。
協和町では1976年から本格的な健康づくり事業を開始したが,1981年から町の重点事業として脳卒中半減対策事業を展開してきている。脳卒中半減対策事業は当時脳卒中を中心とした循環器疾患が死亡原因の第1位を占め,また国民健康保険の医療費に占める割合も高かった。このままでいけば高齢化社会の中で,ねたきり老人や痴呆老人の増加は免れないという危機感を抱き,この切迫した保健行政課題のもとに,協和町においても老人問題に着手せねばならない時期であった。
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