特集 寝たきり老人ゼロ作戦へのチャレンジ
脳卒中患者情報システムと保健婦の役割—小矢部保健所における脳卒中登録と保健所活動
中居 詔子
1
,
斉藤 千代美
1
,
裏田 弘美
1
,
太田 明美
1
,
長田 一美
1
,
小野 啓安
1
,
中川 秀昭
2
1小矢部保健所
2金沢医科大学公衆衛生学教室
pp.364-371
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900233
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はじめに
老人福祉協議会の報告や患者調査,厚生行政基礎調査から,わが国では特別養護老人ホーム入所者および長期入院患者(精神障害者を除く)の約1/3が脳卒中患者であり,在宅寝たきり者も1/3を脳卒中患者が占めている1)。このため脳卒中の死亡率は著しく減少したとはいえ,脳卒中予防対策,脳卒中患者対策はまだまだ重要な課題であると考えられる。
また医療の進歩による救命率の向上は療養期間の長期化をもたらし,死亡統計の分析だけではかならずしも脳卒中の発生状況を正しく反映しなくなってきた。そのため地域において脳卒中予防対策をたて,その効果を評価するには脳卒中に関する正確な情報を得ることが最も重要であり2),脳卒中登録が大変重要視されることとなった。
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