特集 難病患者・家族への地域ケア
病院を基盤とした在宅難病患者ケアの実際と保健婦の役割
中溝 明子
1
,
内田 千佳子
1
,
中田 まゆみ
1
1神奈川県川崎市立井田病院保健医療部
pp.1105-1112
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900166
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はじめに
『難病患者ケア』という言葉からまず思い浮かぶのは,決して治癒せず年単位でじわじわと下降線をたどり,長い経過のすえに感染症と全身衰弱,そして死に至るというイメージである。しかし医学的に救うことが難しい病気だからこそ,看護職の果たすべき役割は逆に大きいといえよう。
心身の機能が徐々に低下し患者とその家族は生活をも脅かされ,必死にSOSを出しているケースを目の前にした時,私たちは看護の専門職として,問題解決に全力であたらなければならない。なぜならいかに医療処置が多いケースでも,彼らが本当に求めているのは「自分たちの本来の生活であり人生を生きる」ということだからである。
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