特別寄稿
最近のわが国における結核発病の状況と保健対策
山下 武子
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1(財)結核予防会結核研究所研修部保健看護学科
pp.906-914
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900140
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はじめに
『かつては不治の病と恐れられた結核について,わが国の患者数は減りつつあるものの,先進国では依然ずば抜けて高い水準にあるとして,厚生省はこれまでの対策を,全面的に洗い直して抜本的な追放作戦に乗り出す。
今年8月16日に開いた公衆衛生審議会結核予防部会(部会長,青木正和・結核予防会結核研究所長)が治療と予防の両面に関する小委員会を発足させ,具体的な計画の作成に着手した。今後できるものから順次取り組んでゆく方針。同時に,患者の多発に悩む開発途上国との医療協力にも積極的に取り組むことにしている…』と,1990年5月17日付朝日新聞で報じられ,テレビのニュースでも流れたので,全国民の関心は高まっている。まして保健婦仲間からのそれに関する質問には,今までにない真剣さが感じとれる昨今である。
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