特集 家族への援助—家族療法を中心にして
家族看護学における家族システム論の位置づけ
野嶋 佐由美
1
1高知女子大学
pp.533-541
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900084
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はじめに
近年,看護領域では,家族を単にケースの背景として捉えるだけでなく,看護ケアの対象として捉えるべきであると言われるようになってきている。個人主義の国とされているアメリカでさえも,家族中心(family-centered)の看護サービス2,31)が提唱され,家族は“サービスを必要としているユニット”3)であるとうたわれている。
また,家族主義であるわが国においては,医療システムはこの家族主義に依って運用されていることを鑑みると,看護領域で家族を対象とした固有の看護を体系化することは,1つの重要な課題とも言えよう。
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