調査・報告
精神障害者とその家族に対する援助過程からの学び
橋本 文子
1
1徳島県徳島保健所
pp.488-498
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900078
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はじめに
保健婦の行なう援助として,家族そのものを対象と捉え,家族の問題解決能力を高めることを目標とした「家族保健指導」の重要性が強調されるようになって久しい。私もこのことを理解して,援助していると思い込んでいた。
しかし本事例を通して私は,「患者の看護資源としての家族という見方をしやすい。患者に手を差しのべられなくなった家族を,問題家族として捉え,家族ならこうあるべきだと自分で勝手に考えたパターンで,関わる傾向がある」ということに気づいた。これは家族へ援助していると思っていたことが,実は家族の思いを無視した家族にとっては負担のかかる押しつけであった,という思いである。
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