連載 老人のメディカル・チェック・21
耳鼻科疾患(2)—老人とめまい
井上 裕章
1
1九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.844-846
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207828
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はじめに
めまいは種々の疾患によりおこるが,周囲や自分がぐるぐるまわる(回転性めまい),実際にふらついたり,よろけて困る(平衡障害の自覚)などの訴えの場合には,体のバランスを保持したり,頭の動きに伴う眼の動きを調節する前庭系とよばれる部分の障害によることが多い。内耳のなかにある三半規管と耳石器(末梢前庭)は頭の位置,速度,加速度を感知し,この情報は内耳神経を経て,脳幹や小脳の中枢前庭へ伝えられ,統合,調節される。本稿ではこれら末梢前庭および中枢前庭からなる前庭系の疾患のなかで,老人に比較的多いものをいくつか紹介する。
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