特集 知っておきたい小児の耳鼻咽喉科疾患
8.耳鼻咽喉科疾患としてのめまい
堀井 新
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
キーワード:
vertigo
,
dizziness
,
良性発作性めまい
,
前庭性片頭痛
,
診断
Keyword:
vertigo
,
dizziness
,
良性発作性めまい
,
前庭性片頭痛
,
診断
pp.1752-1759
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001571
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空間において自己がどう存在するのか認識することを空間認知という.空間認知に必要な情報を空間識といい,空間識は前庭覚,視覚,体性感覚により形成される.めまいは空間識が障害された状態であり,運動感覚を伴うものをvertigo,伴わないものをdizzinessとよぶ.小児に多いめまい疾患は良性発作性めまい(BPV)と前庭性片頭痛(VM)で,この2疾患で40%を占める.ともに発作性めまいを繰り返し,BPVは5歳以下の低年齢でみられ,片頭痛を発症するとVMと診断される.VMでは聴覚症状がみられる場合もあり,内耳疾患との鑑別が問題となる.ともにめまいの予防には片頭痛予防薬を,頭痛には片頭痛治療薬を用いる.
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