特別寄稿
厚生省看護研修研究センターでの保健婦教員専攻の教育—地域の看護ニーズに対応できる保健婦の育成をめざす継続教育
名原 寿子
1,2
1厚生省看護研修研究センター看護教員養成課程
2保健婦養成所教員専攻
pp.226-235
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207712
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はじめに
人は誰しも住み慣れた地域で老後を過でしたいと願い,病んでも在宅を望む。「看護は,他の実践的仕事と同様,常に〈あるべき〉と望まれていることの実現でなければならない」1),としたナイチンゲールは,在宅から病院医療へとまさに移ろうとしている19世紀に,人間のもつあたり前の感情を見抜いて,病院はあくまでも文明の1つの過程に過ぎない,究極の目的はすべての病人を家庭で看護することである2),と論じ,地域看護とヘルスミッショナーズ運動に力を注いだ3,4)。
わが国はいまや,世界に類をみないスピードで,家族規模の縮少化と超高齢化社会への道をたどっており,在宅ケアの整備拡充は重要な行政課題となっている。
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