研究 痴呆性老人に対する地域ケア実践と評価
第1報 痴呆性老人をかかえる家族等の介護力とそれに影響する老人・家族の条件
福島 道子
1
,
島内 節
2
,
橋本 怜子
3
,
桜井 裕子
3
,
石川 正子
3
,
柴 静枝
3
,
柴原 君江
4
,
岩村 わか子
5
,
川崎市麻生保健所衛生看護係
1日本赤十字看護大学
2国立公衆衛生院
3川崎市麻生保健所
4川崎市中原保健所
5川崎市多摩保健所
pp.326-331
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207523
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研究報告にあたって
高齢化社会を迎え,各地域でぼけ老人の実態が調査され,公衆衛生看護活動が展開されつつある。厚生省は昭和61年8月「痴呆性老人対策推進本部」を設置し,昭和62年8月,痴呆性老人対策に関する報告書をまとめた。この中で,痴呆性老人を介護する者の心身の負担を軽減・解消することは緊急課題であることを示し,相談体制の強化,デイサービスやショートステイ事業の拡充など,介護家族に対する支援方策の充実を提言している。また,公衆衛生看護の分野でも,家庭訪問・デイケア・精神衛生相談などを通してぼけ老人とその家族に対する支援のあり方を模索している。ぼけ老人へのケアは,わが国のみならず,人口の高齢化を迎えた先進諸外国においては重要な課題として,わが国よりも先んじてさまざまな問題検討・施策がなされている。
わが国のぼけ老人対策は,非常に不十分で立ち遅れており,在宅ぼけ老人は家族が対応せざるをえない状況にある。在宅ぼけ老人と家族に関する実態調査は各地で始まっているが,この実態に沿って地域でどのような援助がなされたかの評価に関する研究報告は,非常に少ない。そこでこれらに関して以下の内容で4報(4回)にわたり報告する。
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