連載 重点地区活動―地域がどよめき,芽吹く・19
島根県における総合保健活動—重点地区活動とコミュニティ・ヘルス・アプローチ
山根 洋右
1
1島根医科大学環境保健医学教室
pp.245-253
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207505
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最近,健康教育の普及とともに「セルフ・ケア」が強調され,民間の健康教育産業も視聴覚機器と教材に工夫をこらしつつ顧客,住民の確保に懸命である。諸外国でいうセルフ・ケアの概念は,健康を基本的人権とする権利意識とそれを保障する行政の住民自治理念を前提としているにもかかわらず,日本に輸入されるや否や公的責務抜きの「自助努力」に翻訳されてしまう。
「自助努力」の大合唱のなかで,保健婦活動は公衆衛生の基盤である地域をはなれ,在宅看護と病態別健康教育に自ら活路を見出そうとしているようにもみえる。
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