書評
―著 乾 死乃生・木下安子―患者の声を聞き先輩の実践を学び―「難病と保健婦活動」を読んで
伊藤 恵子
1
1大阪府池田保健所箕面支所
pp.829
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207388
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- 文献概要
この本とは大阪で開催された難病看護研究会で出会った。私自身『筋萎縮性側索硬化症』のケースとかかわって2年が過ぎ,ちょうど暗礁にのりあげていた時である。ケースや家族と共に今後の展望を持てず,毎日気持ちだけ追われていたのであった。そんなときに遭遇したのがこの本である。
この本を読むことによって教えられ,役に立ったことが多々あった。その第1は難病への視点が明記されていることである。ともすれば疾病像にのみ目がいきがちな私たちにとって,本人のみならず家族の抱える「問題」,すなわち社会問題として「難病」を捉えることである。
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