書評
―著 川上 俊文(鳥取赤十字病院整形外科部長)―図解 腰痛学級—日常生活における自己管理のすすめ
井上 駿一
1
1千葉大学整形外科
pp.803
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207384
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「腰痛」は第一線日常診療における最も頻度の高い疾患のひとつであり,米国では年間3兆数千億円,我が国でも確実に数千億円以上の医療費が費やされていると思われる。腰痛,下肢痛の病態は様々であるが,人口の老齢化と共に変性疾患が多くなりつつあり,又次々に病態に新知見が加えられつつあるのが現状である。しかし治療の実状を見ると旧態依然,画一的なものがある一方,非科学的な民間療法など眼にあまるものがあり,どれだけ科学的な裏付けがなされているのか判らないものがある。これはこの方面の研究者の一人として私自身責任を感じているものであるが,不幸にも我々の周辺には医師のみならず一般患者向けの真に科学的な啓蒙書が尚少なく,患者さんの誤解にもとづく誤りの知識があまりにも多い事に気がつく。
本書の著者川上俊文博士は昭和47年鳥取大学を卒業され,鳥取大学整形外科より現在鳥取赤十字病院整形外科部長として腰痛治療の第一線で活躍されている方である。腰痛研究に学会でもしばしば優れた業績を発表しておられる気鋭の整形外科医である。
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