連載 重点地区活動—地域がどよめき,芽吹く・11
地区活動
重点地区活動の展開のために—活動の諸段階と課題
新田 則之
1
1島根県益田保健所
pp.470-475
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207337
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1.らせん状発展のために
「重点地区」での活動を進めていく過程で問題となる点をいくつか整理していきたい。「重点地区」を選定し,そこでの活動に取り組む場合,その活動展開は,科学的に進めていくための必須の条件である地区診断の活動論によっている。特に,問題発見→対策樹立→実践→評価→再び次の問題発見へ,という過程と節目を目的意識的に活動でおさえていくことは重要である。この節目のない活動は溝のないネジクギみたいなもので,いくら打ち込んでもすぐ抜けてしまい,活動の積み上げや発展は期待できない。この節目があることによって,活動のダイナミックな広がりと深まりというらせん状発展が裏づけられる。
この「重点地区」の活動のらせん状発展が,「重点地区」を機関車として位置づけられるように全体の活動を引っぱっていく力となる。この点からも,まずは「重点地区」での活動に集中した展開と積み上げが必要となる。県下全域でみると,「重点地区活動」に取り組みはじめたところもあれば,10年近くの経過をもつところもある。活動の歴史が短かければ短いなりの,長ければ長いなりの,悩みや問題点を抱えながら取り組んでいる。この点については「島根における総合保健活動—重点地区活動の課題――」の中で整理されているが,ここでは活動の展開にそってみてみたい(図-1)。
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