連載 重点地区活動—地域がどよめき,芽吹く・4
今,何故重点地区活動か—あたりまえの活動から学ぶもの(Ⅱ)
新田 則之
1
1島根県益田保健所
pp.940-944
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207239
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1.「重点地区活動」は公衆衛生活動の原点!
島根県の「重点地区活動」は,地区の健康実態,そしてこれまでの公衆衛生活動のふり返りと総括から生まれてきた。それは,地区診断を踏まえた科学的な活動の展開であり,浅く広い形式的な活動からは健康を守る活動を積み上げることは困難であったという反省から,小さな単位での住民とのきめ細かい信頼関係を大切にした活動である。そして,地区のヘルス-ニーズに基づきながら市町村,保健所などのスタッフと住民の組織的活動を通じて健康を守る活動を作り上げていくものである。言いかえれば,「重点地区活動」は,公衆衛生活動の原点である。この意味で,「重点地区活動」はあたりまえの活動なのである。
一方,公衆衛生の危機が全国で叫ばれはじめてから久しく,保健所活動についても多くの論議がなされている。このような状況の中で,本来の公衆衛生活動の取り組みへ「重点地区活動」が果たしてきた役割は大きい。
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