巻頭言
Clinical Public Health
秋山 房雄
1
1東京大学医学部成人保健学教室
pp.191
発行日 1968年3月15日
Published Date 1968/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201874
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呼吸と循環の領域で,診療にまた研究に,日頃ご努力なさっておられる先生方に対して,この方面で何もお役に立つほどのしごとをしていないわたくし自身を恥しく思っておりますし,またこの拙文をお読みいただく方々には,申し訳ないことと思っておりますが,わたくしと,この「呼吸と循環」との因縁を少しばかり申し上げて,責を果たさせていただきたいと思います。
わたくしが昭和14年春大学を出て,すぐに物療内科の医局に入れていただいたのは,学生時代から血清学に興味をもっていたからでありました。そして当時は,やがて応召もあろうかと考え,それには内科の勉強が必要だというわけで,三沢教授のところにご厄介になったのであります。やがて,考えていた通り,2年後には軍服をきて,満州から中国へと,まる5ヵ年を過ごしてしまいました。一番勉強をしなければならないこの時期をこういう形で過ごしたことは,その後のわたくしに,大きな影響があったのであります。
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