特集 死因究明制度の現状と将来展望
Public Health and Safetyと死因究明制度—公衆衛生の立場から
反町 吉秀
1
,
瀧澤 透
2
1大妻女子大学大学院人間文化研究科
2八戸学院大学人間健康学部人間健康学科
pp.330-334
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208182
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世界では年間500万人以上が,暴力,事故,自殺などの傷害による死亡のため,命を落としている1).また,世界における死亡の約9%は,傷害による外因死であり,DALY(Disability Adjusted Life Year,障害調整生命年)でも約9%を占めている1).しかも,将来の死因予測では,交通事故,自殺,対人間暴力による死亡が,これまで以上に死因順位の上位に位置すると予想されている1).世界中の人々の命を脅かしているのは,疾病ばかりではないのだ.
そこで,WHO本部は,2000年,「(暴力や事故による)傷害は,主要な公衆衛生課題の一つであり,傷害は予防可能(preventable)である」と宣言し2),暴力・傷害予防部門(Department of Violence and Injury Prevention)を設立した1).WHOは,現在まで,暴力,交通事故,子どもの事故,自殺それぞれについてのグローバルレポートを作成し,暴力・傷害予防についても,公衆衛生政策として取り組むよう,世界各国に促している.
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