連載 保健活動の〈見直し〉から〈見通し〉へ・18
在宅死を希望する癌末期患者のケア活動事例の見直しから見通し
西村 かおる
1
,
花岡 真佐子
2
,
丸地 信弘
3
1東京衛生病院
2慶応義塾大学医学部付属厚生女子学院
3東京大学医学部保健学科
pp.102-113
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206954
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はじめに
我々がこのシリーズで癌末期患者のケア活動事例を取りあげるのは2度めである。前回の昭和58年12月号は,82歳の胃癌患者で,在宅死を希望したがかなえられなかった事例を,場的視点で見直したものであった。
今回取り上げるケースも,同じように,在宅死を希望したがかなえられなかった,胃癌末期患者の在宅ケア活動の事例である。なぜ,本シリーズで同じような事例を2度も取りあげるのか,疑問を持たれる方もあるであろうう。今回の事例が前回に比べて最も異なる点は,第3の視点を活用したことである。第3の視点については,このシリーズで数回にわたって述べてきたので,読者はそのイメージをなんとなく思い浮かべることができるであろう。しかし,第3の視点を意識すると活動がどのように受けとめられるようになるのか,具体的には理解することが難しい方も多いだろう。そこで,今回は第3の視点に注目して事例を見直すと,場的視点で見直した時と違って何が見えてくるか,また,その後の活動がどうなるのか,見直しのみでなく見通しも含めて,読者が具体的に理解していただければ幸いだと思う。
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