特集 終末期患者の訪問看護
在宅での死—癌最末期の単身者への訪問看護
猪飼 陌江
1
,
加藤 登志子
1
,
山崎 摩耶
1
,
新津 ふみ子
1
1新宿区立区民健康センター
pp.747-751
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919598
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はじめに
死とは何であろうか.死とは人がその肉体から離れる瞬間であるといわれている.人がその瞬間を予期して死を迎える場に臨んだとき,その人を囲む人たちはでき得る限り本人の意思にそえるよう,環境を整えてやりたいと努力するであろう.しかし,終末期というものはいつでも,私たちの思いを超えて展開するものである.個々の人々へのかかわりの過程は,様々な葛藤を繰り返しながら援助する私たちの過程でもある.その個々の人々へのかかわりを通して,私たちは対象者の主体性と意思を尊重して援助しなければならない,という看護の基本ともいえる学びを得てきた.
今回は,8年目をむかえた当センターの訪問看護活動の中で実践してきた終末期患者へのかかわりについて,事例を通して報告する.
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