特集 派遣保健婦の足跡をたどる
町村における評価をたずねると
《派遣保健婦の想い出》
培った連携を維持したい
菅原 直美
1
1清川村保健衛生課
pp.741-744
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206885
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清川村に移り住んで間もなく,村役場の保健婦さんがひょっこり尋ねて来られた。近所に住む脳卒中後遺症の女性の昼間の介護者探しで偶然来られたのだった。仕事をやめて5年,子育ての日々に,〈保健婦〉で働くことを半ばあきらめ始めていたが,なつかしさでいっぱいになり,つい自分の経歴を話してしまった。この偶然の出会いがあって,その翌年の55年4月,私は村保健婦として採用され,派遣期間の最終年を迎えた1期派遣保健婦と共に働くことになった。その間に,保健衛生課と住民福祉課の協力事業として始まっていた<機能訓練教室>などを中心とした老人福祉対策の充実を図ろうという村福祉サイドからの積極的な要望が出され,これが契機になって,村保健婦複数設置への動きとなった。2人目採用までの準備期間への対応として,村から県への保健婦再派遣の要請が出され,引き続き2期派遣保健婦が決定された。こうした背景のもとに,私は合わせて3年間を県派遣保健婦を同僚として,机を並べ,仕事を共にすることになった。そして2年間の臨床と4年間の国保保健婦という浅い経験で,しかも〈再復帰〉であった私を,県と村という身分差を乗り越え,先輩として支え,また方向づけていただいた。私にとって,この体験は貴重なものとなっている。
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