特集 第16回自治体に働く保健婦のつどい集録
草の根の活動を保健婦の手で
―実践講座―労働者の健康問題と保健婦の活動
田尻 俊一郎
1
1淀協社会医学研究所
pp.580-590
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206860
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はじめに
きょうは,"合理化""技術革新"の中で労働者がどういう状態におかれているか,現在の労働者の健康の実態はどうかを中心に,お話したいと思います。
今健康保険の改悪案が出ています。健保本人の一部負担を当面1割,2年後に2割にするという案を,厚生省が提出しています。これに対する政府・自民党の主要な論拠は最近疾病構造が変化してきた。ウイルスや細菌などによる"外からの病気"が少なくなって,脳血管障害や心臓病,がんなどの"内からの病気"がふえている。この"内からの病気"は,個人的な努力によって予防可能である。それができなかったのは個人の責任だから,ペナルティーとして一部負担を受益者から取るのは当然であるというものです。
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