特集 実践交流から理論化へ—主体的保健婦活動論の組み立て 第8回自治体に働く保健婦のつどい集録
分科会
第II分科会
労働者の健康問題—保健婦は何をすべきか
K
,
Y
pp.480-488
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205739
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はじめに
司会 高度経済成長の結果,都市の過密化,核家族化,それにともなう婦人労働者の増加と健康破壊,また職業病,労働災害,公害病,薬物中毒,交通事故などその発生に社会的要因が直接的に作用している傷病が増加しています。とりわけ見過ごせない問題として,あらゆる職域に広がった職業性の頸肩腕障害,腰痛症,自律神経失調症などをはじめとするさまざまの慢性疲労性の健康障害が多発していることです。しかしこれらに対する実態把握はもちろんのこと,患者に対する対策も一部の地域を除いては何の取り組みもない現状であります。この間,労働衛生のうごきは自主的な患者組織に依拠しながら問題提起され,ようやく社会問題化されはじめたことと,一般的にも関心を集めるようになりました。ところで労働者の健康問題を保健婦業務との関連において注目されはじめたのは2〜3年といえます。保健婦のまわりにも,職業病で苦しんでいる仲間,また家庭訪問をとおして,企業から,また無理解な職場の仲間から放り出され苦しみあえいでいる患者の姿を知る機会が多くなりました。そこでこの分科会では,労働者の健康破壊の現状と患者の実態などを浮きぼりにしながら,労働者の健康問題,とりわけ保健婦業務との関連について検討してみたいと思います。
ケースレポートの報告から,分科会をすすめます。
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