連載 たくましく生きるネパールの人々・5
人間の一生
馬場 新子
1
1元青年海外協力隊
pp.316-317
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206824
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赤ん坊
生まれたままの格好で走り回る幼児の姿を街中で見かけるのは,決して珍しいことではない。日差しの強いネパールでは1歳から3,4歳ぐらいまでの子供たちは,大概日中を丸裸ですごしている。だから排泄はいつでも,どこでも,催してくれば好きにやっている。排泄のしつけ等あるのかしらん? と首をかしげたくなる。
第1<おむつ>なる物は存在しないし,いわゆるベビー衣料品は一般的にはないと言っていい。幅広のしっかりした木綿布が唯一の赤ちゃん用品なのだ。それは赤ん坊のおくるみや寝る時の掛け物になるし,虫おおいやおぶい紐にもなる。タオル代わりに頭部だけでなく,目・耳・口の周り,果てはウンチをした後のぬぐいもそれで済ませてしまう。これこそまさに,驚異の赤ちゃん万能品なのだ。
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