発言席
町報に保健婦さんの記事を
成田 千枝子
pp.9
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206769
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私の町は,不知火海に面した,人口6,000人に満たない半農半漁の典型的な過疎の町で,水俣病患者をかかえ,また老齢化も全国に先んじており,さまざまな生活上の問題をかかえております。このような町の民生委員をお引き受けして11年が過ぎたところですが,改めて,住民の生活や生活感情を振り返ってみると,多くの問題が存在していることに気づきます。
私達の主な仕事は,担当地域の生活保護の更生相談,在宅老人のお世話などであり,これらの人人のほとんどが健康上の問題もあわせもっており,私達だけではどうにもならない問題もあります。民生委員は彼等と同じ地区民であり,すべてを打ち明け相談をもちかけられるように思われますが,実際はその逆で,近所への噂や面子などがあるのか,問題の核心部分になるとなかなか打ち明けられないようです。このようなとき保健婦さんの訪問は効果的で素直に相談がなされるように思います。専門家の重要さを感ずることがたびたびです。ところが,町常勤の保健婦さんは,妊産婦や乳幼児の保健指導,保健所は在宅老人の介護指導相談など,仕事の分担が徹底していて横の連携がほとんどとられていないように思います。
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