書評
—島田 妙子—"老人とホームケア"
原田 信江
1
1横浜市港南保健所
pp.279
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206652
- 有料閲覧
- 文献概要
一味ちがったプロの味を満喫
日本は近い将来,世界でも例をみない程のスピードで,高齢化社会を迎えるという予想のもとに,人口の老齢化に伴う種々の問題について,ここ数年マスコミにも大きく取り上げられるようになってきた。横浜市の保健所は10年程前から,在宅のねたきり老人を訪問して,いろいろのケアをしてきたが,著者の島田妙子女史は更にその数年前から,社会福祉法人白十字会東京白十字病院を足がかりに,退院された患者さんや,ねたきり老人の訪問看護を開始されている。訪問看護そのものが未経験のうえに,いろいろな疾病,人格を持った老人,かつ又ひとりひとり異なる環境の中で生活している老人のホームケアは,試行錯誤の連続だったろうと思う。ひとつひとつの事例を大切にしながら,十余年間におよぶ《ねたきり老人の訪問看護》の経験を,実に新鮮なおどろきの目で把握されている。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.