連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第143回
リニューアル例二題
市立島田市民病院
井上 智史
1
,
西村 善彦
2
1株式会社山下設計本社第2設計本部
2市立島田市民病院
pp.1034-1037
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100438
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イメージを一新させた病棟改修事例―市立島田市民病院
成長と変化への対応
病院は医療技術の進歩などにより,日々変化が求められる.「成長と変化」にいかに対処するかが,病院建築の大きな課題の一つである.
病院においては変化の度合いが著しいため,あまり建物に費用を掛けず20年ごとに建替したほうがよいという極端な意見もある.しかし,環境意識の高まりから建築のストック化の要請は強く,「改修による変化への対応」の必要性が今後ますます高まるものと思われる.改修に際しては1981年の耐震基準改正が大きな壁となっているが,阪神淡路大震災では,被害にあった建物の多くが旧耐震によるものであり,結果的に新耐震基準の有効性が証明されることとなった.このことから今後,耐震基準の大きな変更はなく,新耐震基準がクリアされていれば,改修は有効な方法であるといえる.
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