Siesta
老人ホームへの往診
吉田 紳一郎
pp.132
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901917
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月に一度の実家での手伝いに,老人ホームの往診がある。
そこは,函館市内からさらに車で約1時間半のところで,平均年齢約80歳,100人前後の方々が暮らしている。高齢のため,内科的患者,歩行不能者,意識障害者に加え,ほとんどの方に白内障が認められた。
特に両眼視力眼前指数弁の過熟白内障のその患者は,視力不良から歩行困難となり,その他,視力不良に起因するさまざまな日常生活の不自由を負っていたが,眼手術など毛頭考えになく,不自由を不自由とも感じず,ただ欝々と,現状と自分に折り合いをつけて暮らしていた。周囲も遮断し,ほとんどしゃべることもない状態だった。再度にわたる手術の必要性のムンテラにて,手術を希望され,片眼の術後矯正視力0.7となった。
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