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訪問看護活動のパイオニア 東京白十字病院看護部長 島田妙子さん
杉 政孝
1
1社会福祉法人白十字会
pp.560
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208342
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島田さんは,日本における訪問看護活動のパイオニアの一人である.今でこそ,高齢化時代における病院の新しい活動領域として,地域の寝たきり老人を対象とする訪問看護サービスはかなり広く行われるようになったが,島田さんが社会福祉法人白十字会の東京白十字病院看護部長として,東京都東村山市で訪問看護を始めた昭和46年の時点では,それは正に新たな挑戦であった.
姫路赤十字高等看護学院,兵庫県立保健婦専門学校,武庫川女子短期大学家政科をそれぞれ卒業後,中学校及び小学校での養護教諭という経歴をもつ島田さんには,病院での看護だけが看護のすべてではない.在宅の患者とそのケアに苦労している家族に,その家庭の状況の中で可能な看護を教え,患者自身と家族とが主体的に問題に取り組むようにリードしていくことも看護の重要な一面である,との問題意識が学生時代から自覚されていた.そしてそれは,その後12年間にわたる実践に磨かれて,彼女の温顔の背後に確固たる自信と理論として熟成している.しかも島田さんはそれを書物としてあるいは講演の形で表現する能力にも優れている.
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