活動報告
脳卒中リハビリテーションにおけるグループ訓練の効果—グループ訓練と患者家族・看護婦の積極的訓練参加の意義
川平 和美
1
,
小野 知子
2
,
井上 仁
3
,
豊倉 三雄
3
,
田中 信行
1
,
新村 健
1
1鹿児島大学霧島分院
2OT
3PT
pp.153-157
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206633
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はじめに
脳卒中は昭和56年度死亡統計でも第2位を占め,年間15万人が死亡し,それをはるかに上回る多数の脳卒中後遺症患者が発生している。これらの後遺症に苦しむ患者は各地のリハビリテーション施設で機能回復に努めているが,その数や内容は十分とは言い難く1),在宅患者の能力維持向上のための施設や機会となると更に少ないというのが現状である。しかし,近年保健婦が中心となって各地で在宅患者のためのリハ教室が開催されるようになり徐々に充実されつつあるものの,人手不足もあり十分に機能しているとは言い難く,このような現状にあって,よりいっそうの充実をはかるためには運営上の工夫が必要である。我々の施設(病床51,脳卒中後遺症患者40名前後,人員:理学療法士2名,作業療法士1名)でも同じ悩みを抱えているが,2年前よりグループ訓練を導入し,満足すべき成果を得ており,リハ教室でも一考に値すると思われる。我々のような脳卒中リハビリテーションの施設と地域の在宅患者を集めてのリハ教室ではその条件に異なる点も多いが,人手不足と限られた時間という同じ悩みを抱えて共通点も多く,参考になることも多いと思い,我々のグループ訓練の目的,方法,調査結果を紹介を兼ねて報告し,最後に在宅患者にグループ訓練を行う際の注意点についても考えてみたい。
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