書評
—高屋 通子・高橋のり子著—人工肛門・人工膀胱の知識—腸や膀胱のない人の快適なくらしのために
鈴木 美恵子
1
1弘前大学医療技術短期大期大学部
pp.158-159
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206634
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健康のバロメーターを表わす言葉の一つとして,昔から"快眠・快食・快便"ということがいわれているように,この3つほど生体のリズムを左右するものはない。なんらかの原因によってこのうちの1つでも調子が乱れようものなら,たちまちその人の生体のリズムは狂ってしまう。
"排泄"は食の文化と同様,儀式とも呼ぶべき民族特有のあるしきたり・習慣を人類史的に身につけてきたものである。このごくあたりまえのこととして行われている"排泄"が,いったん健康に破綻をきたし,己れの意のままにならない状態となってしまったとき,多くの病者は他のどんな苦しみにも増して,何ともなさけなくみじめな思いとつらさを,いやというほど思い知らされる。そして健常時には特別気にならなかったことが,いかに重要なことであったかを認識させられるのである。
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