Japanese
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特集 地域リハビリテーションにおけるグループ訓練
老人のデイケアサービスとしてのグループ訓練・1
Group Training Program in Community Rehabilitaion Service: Group Training as Day Care Service for the Aged. 1
宮森 達夫
1
Tatsuo MIYAMORI
1
1(株)福祉開発研究所
1Social Welfare Research Corporation.
pp.678-680
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103113
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Ⅰ.初めに
ここでは,あらかじめお断りする内容として,“老人”ということばを“高齢者”と呼び“訓練”ということばを“活動”ということばで表現している.この意味は,一般的に“老人”という概念を前期,中期,後期の三つの段階で異なった視点が必要と考えたことと,“訓練”を“活動”ということばで置き換えたのは社会的,心理的な観点を重視していこうとする意図によるものである.
高齢者に対するデイケア活動の目的やその方法を考えた場合,私自身はこの活動の全体像を社会的リハビリテーション活動の中に位置付けられると考えてきた.その場合,対象となる高齢者のニーズや問題点がどの視点からとらえられるかによって,活動の内容は異なってくる.その意味で,グループ活動においても援助をする(される)対象としての高齢者というより,一般的な高齢者の意識を基礎においた視点から内容を検討する必要があると思われる.以前,グループ活動などのアンケートをデイケアの利用者にお願いしたことがある.選択する部分,自由回答などいくつかの設問を用意したが,結果は現在していることを是とする意見,続けてほしい要望などが主で,われわれが期待した新たな発想に結び付くヒントとなるような意見は無かった.
こうした結果に対しては,運営する側としてはおおいに悩んでしまうところである.ある傾向なりが浮かんでくることを期待するものには,通常の手段では功を奏せず,ネガティブイメージしか残らないものになる.とすれば,前提となる高齢者理解に何か誤りがあることを想定して再検討する必要があろう.
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