特集 お題目でない住民主体の活動へ
鷹栖町(北海道)の胎動への期待
座談会
健康問題の発想はだれが—"住民主体"ということをめぐって
小林 勝彦
1
,
嶋畑 光信
2
,
佐藤 マツエ
3
,
早矢仕 春美
3
,
荒 尋子
3
,
金谷 典子
3
,
野々村 篤子
3
,
吉田 幸永
4
1北海道上川郡鷹栖町
2鷹栖町民生課
3鷹栖町
4京都府日吉町
pp.974-997
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206445
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吉田 きょう鷹栖町に寄せていただきましたのは,町長さんが保健婦雑誌の2月号にお書きになった"発言席"の"専門職としての誇りと自覚を"について私ぴんとくるものがありまして,ちょっと私の町と違うなと思ったのと,住民の健康問題の発想は保健婦だとお書きになっていられますが,その保健婦さんの発想のもとになっているのはどこら辺かなと私は疑問を持ったんです。
私はいままでは,保健婦学校で習ったとおりの結核とか乳幼児とかいろんなことを住民に押しつけてきたんですね。その間は絶対に住民は本音を出してくれないということがわかりかけて,すごく反省しているんです。この問題はいま全国の保健婦が一番悩んでいると思うんです。保健婦がああしてあげよう,こうしてあげようと自分の頭の中の知識だけで住民に押しつけている間は,絶対に長続きしませんね。最初の1年2年は珍しいし,そんなことをやってくれるんやったらわしも行ってみようかいうことで出てきてもらえますけれども,3年,4年とたつと,何かお上からしてくれはるんやという形になってしまい,長く続かないんじゃないかなと,いま反省と後悔の中に私はいるんです。
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