発言席
健康を創る医学を
乾 達
1
1静岡県清水市乾医院
pp.249
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206232
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私の属している"実地医家のための会"の研究会で,医療の三つの型の概念を学んだ。(1)医師主導型の医療,(2)医師・患者対等型の医療,(3)患者主導型の医療,である。
私たち医師が大学や病院で学ぶ医療のほとんどは,医師主導型の医療である。心筋梗塞の発作を起こした患者,急性腹症で手術を必要とする患者などは,この第一の医療に入る。しかし,開業して町医者になってみると,病院時代とは接する病気の質が大きく異なっていることに気づいた。すなわち,病院では"完成された病気"や"不可逆的な病気"が主であったが,開業医の診る病気は"病気とはいえないような病気"や"治療よりも指導や教育を必要とする病気"が圧倒的に多いことである。保健婦の皆さん方は,もっと強くそれを感じているのではなかろうか。すなわち,第二,第三の型の医療を必要とする疾患がほとんどである。
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