活動報告
保健婦学校における公衆衛生看護実習に関する考察—併行実習を経験した卒業生の調査結果から
山元 郁子
1
,
今井 洋子
1
,
松下 敏夫
2
1鹿児島大学医学部附属保健婦学校
2鹿児島大学医学部衛生学教室
pp.73-79
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206208
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昭和46年の新カリキュラム施行により教育課程の大幅な時間短縮が図られ,中核をなす公衆衛生看護論は,総時間数360時間のうち実習が180時間(50%)と規定された。
人間理解の基礎にたった公衆衛生看護実習において,"看護とは対人関係のプロセスである"(PEPLAU)1)ことをどう認識させたらよいのか。また,"看護婦の役割はある時代とある時代では時間的に変わるばかりでなく,看護婦が目下自分の身を置いている状況に応じても変わる。時に応じて全くさまざまの仕事を行う必要がある"(HENDERSON)2)。このことについて自ら判断,対応できる看護職に育てるにはどうあるべきなのか。一般大学における教育実習の改善充実の方策(教育職員養成審議会専門委員会)3)にも示されたように,教育の場において実習の意義は大きく,教育の成否を左右するとさえいわれているが,実際には看護実習をどう行うかは最も工夫を要し苦労の多い問題である4)。元木5)は,"知識を学ぶ"ことの場はいたるところにあるが"知識を使う"場は技術の学習以外にないのではないか,そこに技術教育における実習の大きな意味があるとして,さらに,知識を使う場に学習者を置く時点は,最終的な応用段階にあるのではなく,理論学習と併行しつつ,当初から配慮されなくてはならないと指摘している。
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