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いい発想といい腕をもった保健婦に
岡庭 幸子
1
1長野県下伊那郡上郷町
pp.858-859
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206066
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私は信州伊那谷に,人口13,000という町の保健婦として働いている。仲間というにはおこがましいが,大先輩の保健婦と私と,もう一人の後輩がいる。田舎の保健婦の私には,都会の保健婦さんの言われることがどうもピンとこないし,まして保健所保健婦という立場が,実際どの程度行政の枠といわれるものにしばられているものなのか,想像の域を出ないから,曖昧なままでいろいろ言ってみるのも無責任になりそうだ。ただ,同じ保健婦という立場から共通したところもあるので,そういう点から私の考えを述べたい。
よく同じ仕事をしている人達と話すのであるが,「どうあるべきか」とか「どうしようと思う」というような先のことについては割と簡単に話せるものだが,「どうやってきたか」という事実を述べることは,なかなか勇気がいるものである。私なんかも,もう12年も保健婦をやっていると,今更経験が浅いとか,勉強不足でといったことで言いわけのできる年でないことをつくづく感じる。だから私はその分だけ自分自身にも厳しいものを求めなくてはいけないと,常々反省するし,又そのことが住民の人達に向かっては,どれだけ保健婦として責任が果たせたかということにつながっていくと思う。
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