特集 看護管理と労働組合
識者から
患者および看護婦の尊厳に向けた発想の転換を
川島 みどり
1
1医療法人健和会 臨床看護学研究所
pp.307-311
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900189
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はじめに
「患者の尊厳と看護」をテーマに開催された,日本私立大学協会主催のリフレッシャーコースは,講演やシンポジウムなど多彩であったが,最終日に前田アヤ氏がフロアから述べられた意見は傾聴に値した.「2日間,患者の尊厳ということで学んできたが,その尊厳を維持するケアを行なう看護婦の尊厳を,しっかり考える必要があるのではないか」というものであった.看護婦の尊厳を守れなくて,患者の尊厳などありようはずはないというふうにうかがった.まさに,今回の本誌のテーマの結論を導く貴重なご意見であったと思う.
看護のヒューマンパワーならびに看護婦の労働条件の良否が,直接患者サービスの内容に影響することは否定できないだろう.したがって,看護の共通の目標である「患者のよりよいケア」を目指すなら,管理者も労働組合もその目標達成のために,胸襟を開いて語り合えるはずである,それが何故できないのか,という素朴な疑問から出発した編集部の意図は,極めて今日的な意味をもっていると思われる.
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