特集 老人と保健婦活動
活動報告
名古屋市におけるねたきり老人の訪問指導を実施して
石井 英子
1,2
1名古屋保健婦ブロック研究会
2名古屋市守山保健所
pp.757-762
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206050
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はじめに
人口の老齢化,疾病構造の変化により,ねたきり老人は年々増加の傾向をしめしている。名古屋市では,昭和48年5月老人実態調査を行い,2,000人に及ぶねたきり老人の実態が明らかにされた。これは65歳以上の老人人口の1.5%に当たり,このうち施設,病院の入所者は全体の7%程度で,大部分が在宅者である。在宅老人へのアプローチは老人相談員,ホーム-ヘルパー等の福祉面が主であったため,今後の地域における老人医療サービスの充実のために,又保健衛生面からの働きとして看護を中心とした保健婦による訪問指導が必要とされ,昭和50年度より名古屋市短期3か年計画事業の一環として,保健所保健婦によるねたきり老人等への指導を行うことになった。
過去2年問訪問活動を実施してきた中で,老人特有の個人的問題から社会的問題まで,又これらが幾重にもからみ合い手のほどこしようのない複雑な問題をかかえているものも数多くあった。保健婦だけでは解決できない問題や,医師をはじめヘルパー,ケース-ワーカー等地域におけるねたきり老人の関係者とチームの一員として,今後どのようにかかわっていけばよいか,或いは地域看護活動として如何に継続させていくのか等問題点が山積している。
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