特別企画 反論:ねたきり在宅患者は保健婦活動の対象
"看て護る"主柱を欠いて公衆衛生的視点は存在しない—山本氏に対する疑問と私見
中島 紀恵子
1
1千葉大学看護学部基礎保健学教室
pp.586-590
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206028
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山本裕子氏の"ねたきり在宅患者は保健婦活動の対象に非ず"(保健婦雑誌 Vol. 34,No. 3,1978年3月)を拝読しました。私も保健婦や保健所長からも,氏の主張と同様な意見を耳にしたことがあり,常々考えていたこともありましたので,氏の意見に大いに啓発されるものがありました。私は,ねたきり在宅患者のすべてにわたってその是非をいえるほどの定見を持っておりませんので,"在宅老人"に焦点を合わせて読ませていただきました。そのことをあらかじめおことわりした上で,結論を先に述べますと,氏の"…非ず"とする論旨に対して疑問があります。
編集者にその話をしましたところ"ではあなたの意見を述べよ"ということになったわけです。そのようなわけで,老人看護に対する私見に基づき,山本氏論文に対する疑問と意見を述べたいと思います。
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