特別企画 反論:ねたきり在宅患者は保健婦活動の対象
実践していく中から方法を見つけよう
小野 光子
1
1神奈川県立小田原保健所
pp.591-593
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206029
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反発と共感とにゆれながら
"ねたきり在宅患者は保健婦活動の対象ではない"こう保健婦雑誌に出れば,保健婦のみなさんはだれでもギョッとして……云々と山本氏自身が冒頭で述べているように,私はまらがいなくギョッとしました。
そして,ねたきり患者をかかえている家族がこれを見たら残念がるだろうなあと思いました。ねたきり患者をかかえている家庭は,長年保健婦の援助からはずれていました。福祉の援護は比較的早くから行われていましたが,疾病としての扱い方の援助や支えは受けられず日陰の存在でした。最近になってそのことが見直され,看護や相談の対象者として保健婦が応じるようになり,家族は支えられ,患者は安楽になってきたと思われるからです。しかし,その中身はまだまだ不十分で,今後の活動を期待されていると思われますので,これからやろうとする人達に水をさすような言葉にならなければと杞憂するのです。
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