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行政のワクが阻害因子か
古木 優子
1
1石川県厚生部衛生総務課
pp.492-493
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206007
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昨年の11月号で山崎さんは,"行政のワク"という隠れ蓑の中にどっぷりつかって,公衆衛生活動の拠点としての保健所で働く保健婦が果たすべき機能を十分発揮してないというようなご指摘をされた。山崎さんの保健所保健婦に対する期待を裏切ったことについての"いらだち"だったのではないかと推測し,保健所で長く働いたことのある者として申しわけなく拝見した。理論的にももっともなご意見であり,反論すれば言いわけがましくなりそうである。保健婦を含めて保健所についての見方はさまざまであり,既に当欄において東京の山本さんは,歴史的な経緯を踏まえて問題の根源は国の施策によるところが大きい点等について述べられた。もはや保健婦だけがどう掻いても駄目なところまできているのだろうか。ともあれ就業保健婦中保健所保健婦数は約45%を占めており,市町村で働く保健婦を含めると正に85%が"行政"で働く保健婦で占めることになり,おおげさに言えば,日本の公衆衛生活動はこれらの保健婦の働き方如何にかかっていると言ったら,風呂敷をひろげ過ぎると笑われるだろうか。
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