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コロニー形成阻害因子
丹下 剛
1
1東大病理
pp.466-467
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203348
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1961年,TillとMcChllochが多能性造血幹細胞(CFU-S)のアッセイ法として脾コロニー法を開発して以来,造血幹細胞の研究は飛躍的進歩を遂げたと言えよう.そして,近年はin vitroのコロニー形成法の研究を中心にして,コロニー刺激因子またはコロニー形成促進因子の検出と精製が精力的に行われてきた.
その詳細は文献1,2)を参考にしていただくこととして,骨髄造血細胞のうち,顆粒球系,赤芽球系および巨核球系のおのおのの前駆細胞に対する刺激因子には,それぞれGM-CSF(分子量2万〜10万),エリスロポエチンとBPA(分子量3万〜4万),スロンボポエチン(分子量約4万)などがあり,正常または病的状態にある生体とか患者の血清および尿中から検出できる.あるいは培養という特殊な条件下にある生体細胞は,ヒトやマウスのいずれにおいても脾臓,リンパ節,骨髄,肺,腎,心筋,胎盤,末梢血白血球などの細胞が種々の因子を出している.その場合,培養細胞が腫瘍細胞由来であったり,トランスフォームした株化細胞であることもある.
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