特集 シナプスをめぐるシグナリング
13.シナプス間隙マトリクス
海馬におけるメタロプロテアーゼ阻害因子Timp-3
安田 修
1
,
楽木 宏実
2
Osamu Yasuda
1
,
Hiromi Garaki
2
1熊本大学 医学部附属病院 循環器臨床研究先端医療寄附講座
2大阪大学大学院 医学系研究科 老年・腎臓内科
pp.518-519
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101070
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近年,細胞外基質が多くの疾患に関わっていることが明らかにされつつある。動脈硬化を起こした血管では,細胞外基質の減少が動脈硬化プラークの脆弱化と破綻を招くことが知られている。破綻を起こした動脈硬化プラークで生じた血栓は血管内腔を閉塞させ,心筋梗塞や脳梗塞を惹起する。また,Ⅷ型コラーゲンの増加は血管平滑筋細胞の中膜から内膜への遊走を促進し,動脈硬化形成を加速させる。細胞外基質が記憶機能にどのような影響を与えるかは構成成分となる分子の多様性から停滞しがちであったが,近年の遺伝子ターゲティング技術を用いた研究によって次第に明らかにされつつある。
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