綜説
農村におけるポリオ生ワク投与後の腸管系ウイルスの推移とポリオ中和抗体保有率の観察
中野 英一
1
,
榎本 知以子
1
1国立公衆衛生院
pp.64-68
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202627
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1959年の青森県八戸のポリオの流行と,1960年夏北海道に発生したポリオ流行を機として,1960年12月弱毒生ポリオウイルスワクチン研究協議会が発足し,全国にわたるわが国の専門学者の連繋により弱毒生ポリオウイルスワクチン(以下生ワク)の各班にわたる広汎な研究が実施され,その研究成果ならびに実験投与の遠隔成績に多くの期待が寄せられていた。たまたま1961年7月より8月にかけて緊急行政措置として3型混合生ワクの全国一斉投与が実施されたために野外における実験投与計画が当初の計画通りの完全な観察を行うことが不可能となり,わが国のポリオ予防対策に不可欠な疫学的な基礎資料の蒐集が極めて困難な状態にたち至った事はまことに遺憾なことであった。
本報告は上述の生ワク協議会接種部会の研究の一環として実施した1961年度における野外実験投与の成績,同じく同年実施された行政措置による一斉投与時の成績1)および1962年度に実施された第2次一斉投与の前後における成績についての報告である。
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