連載 活動の中から
K君とともに=その1
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.430-431
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205999
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K君,昭和49年3月生まれ,現在G保育所の3年保育児である。K君の異常を知らせてくれたのは,K君の担当保母Tさんであった。保育時間中に何回もすごい痙攣発作が起こり,行動が衝動的で集団の中での生活ができない。こういうK君が気の毒で,気の毒で,何とか治す方法はないものだろうか? と真剣に訴えた。
町では,保育所の問題は住民課があつかい,中央児童相談所→関係医療機関のルートで,一応手がうたれているのであるが,Tさんの真剣な訴えに,わたしはじっとしておれなくなり,課をこえた行動を開始した。保健課内では,何にも他所の課の仕事までかまわんでも,ちゃんと住民課でやっとるのに,いらんことを,と言う意見もあった。が,本当に困っている人びとのためには,特に現場にいる仲間らは,役場の中の課:課のことなど,どうでもいいんだ。とにかくK君が治ってくれる,そのことだけを一途に希っているのである。で,わたしは住民課でK君の経過を聞いてみた。
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