NURSES' VIEW
K君の前で2度流した涙
山中 敬子
1
1南生協病院
pp.1225
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920918
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看護婦として働き始めて4年目を迎える.これまでに,いくつもの出会いと別れを経験した.その中に,今も忘れることのできない人たちがいる.今は亡きK君とその家族である.
新卒1年目の研修を小児科で終え,内科病棟に変わって2か月,老人の多い病棟の勤務になかなか慣れることができなかった.子供は好きだけど大人は怖いなどと本気で考えていたころ彼に出会った.当時16歳,とても明るく人なつっこい少年だった.まず彼が少年であることに魅かれた.発見された時はすでに手遅れであり,生命が限られているという事実も,彼に目を向けさせる一因だったかもしれない.
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