特集 保健婦と継続学習—国立公衆衛生院の教育活動にみる
保健婦の卒後教育の課題
松野 かほる
1
1国立公衆衛生院看護部
pp.82-83
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205946
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看護の目的は可能な限り高度な内容の看護を場所,時を問わず健康な人も病める人も含めて,それを必要とする人びとに提供することである。この目的を実現するためには,看護教育に携っているもの,看護業務を行っているものの別を問わず,すべての看護職の絶えまない努力が必要である。その一つに,看護の質の向上をめざす努力があげられる。専門職としての看護は看護の基礎教育においてその知識・技術・能力が養成されることはいうまでもないが,さらに卒業後も自から実践をとおして学び,向上していかなければならない。
1975年にシンガポールにおいて開催されたICNの会員協会代表者会議(CNR)で,看護職のための継続教育の重要性を強調し,会員協会に継続教育の制度の推進あるいは一層発展させることを奨励するという声明が採択された。ICNではこの継続教育を,自主的な個人学習から,現任教育,正規の卒後課程,そして大学院における学問的研究までの広範囲な教育活動を含めて考えており,その機会はすべての看護職に与えられるべきであるとのべている。そこでこの継続教育の意味するところをふまえて,保健婦の実践活動を中心にして,これからの卒後教育について,2,3筆者の考えを提起したい。
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