書評
—安達寿夫 著—胎児新生児学入門
勝島 喜美
1
1前国立公衆衛生院保健指導室
pp.533
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205746
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健康な子どもを出生し育てることは,母親,家族のみならず,社会全体の喜びであり願いである。
古い記録によると,6世紀のころ中国から伝来したと伝えられている胎教腹育説に,"人は胎内にあっては,母と気はひとつである"すなわち,母と子の一体関係を述べている。さらによい子を得て,その子が成人してからも幸福であるためには,その妊娠中からの生活にいろいろの条件を設け,妊娠にそれを守らせ実行させた。これを胎教という。胎教とは現在の妊婦の摂生,保健管理並びに保健指導といえるものであろう。しかしながら,胎教の内容の多くは,非科学的なものが多かったことは,当時の状況からして当然のことであるが,早くから母と子の一体関係と,健康な子どもを出生し育てるためには,妊婦特有の生活様式のあることに注目したのは人間の知恵であろう。
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