書評
—安達 寿夫 著—「胎児新生児学入門」
勝島 喜美
1
1国立公衆衛生院・保健指導
pp.581
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204944
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あらためて感じた観察の重要さ
健康な子どもを出み育てることは,母親,家族のみならず,社会全体の喜びであり願いである。
6世紀のころ,中国から伝来したと伝えられている胎教腹育説に,「人は胎内にあっては,母と気はひとつである」。さらによい子を得て,その子が成人してからも幸福であるためには,その妊娠中からの生活にいろいろの条件を設け,妊婦にそれを守らせ実行させた。これを胎教という。胎教とは現在の妊婦の摂生,保健管理ならびに保健指導と言えるものであろう。しかしながら,胎教の内容の多くは,非科学的なものが多かったことは,当然のことであるが,早くから母と子の一体関係と,健康な子どもを出生し育てるためには,妊婦特有の生活様式のあることに注目したのは人間の智恵であろう。
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