書評
「ゾリンジャー外科手術アトラス」―Robert M. Zollinger, Jr/E. Christopher Ellison 著/安達洋祐 訳
森 正樹
1
1大阪大学大学院・消化器外科学
pp.203
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103454
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またまた安達洋祐先生がやってくれました。これまでに『消化器外科のエビデンス―気になる30誌から』(医学書院),『外科の「常識」―素朴な疑問50』(医学書院),『外科研修ハンドブック』(医学と看護社),『エビデンスで知るがんと死亡のリスク』(中外医学社)など,医師(特に外科医)や医療関係者の必読書となる本を出版してきた著者が,今回は外科手術書のバイブルである『Zollinger's Atlas of Surgical Operations, 9th ed』の日本語版を刊行しました。
本書を手にした最初の感想は,「これだけの量の本を,よくもたった一人で翻訳できたものだ」ということでした。今までに多くの医学翻訳書が出版されていますが,これだけの量をただ一人で翻訳したものを見た記憶はありません。多人数での翻訳は,翻訳の仕方,語彙の用い方など,細かなところで統一性に欠けており,読みづらくなることが少なくありませんでした。本書の場合,安達先生の翻訳にかける迫力・執念を随所に感じながらも,楽しく読むことができます。それにしても一人での翻訳作業にはいかほどの時間を費やしたことか……,脱帽!
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