連載 保健婦のための環境衛生学 環境問題と保健婦活動・2
環境衛生学の基礎理論=人間生態学
青山 英康
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.716-719
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205659
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I.緒論
"結核は結核菌で発病する""赤痢菌は赤痢の病源菌である"というのは全くの常識であり,小学校時代からこの常識を暗記させられてきた。確かに"結核は遺伝する"と言われ,結核患者に対する不当な差別が存在していた時代にか,"遺伝ではなく病源菌によるのだ"という保健指導が必要であった。しかし公衆衛生学のみならず,医学の最も基礎的な病因論としては,"人間 host,,環境 environmentそして病因 agent"の三つの要因が指摘されてきた。
この二つの常識のズレ,即ちいつの間にか"環境要因"が発病との関係で忘れ去られてきたとこに注目すべき問題点を見出し得る。
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